塩ラーメン専門店が生み出した完全野菜塩ラーメン開発の背景
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- Qなぜビーガンの塩ラーメンを開発しようと思われたのですか?
- ビーガンラーメンは2011年ごろから研究していました。当時ロンドンにいたときに周りにビーガン専門店がたくさんあったこと、日本でもポール・マッカートニー来日公演でビーガン屋台の出店の話をいただいていたり、アスリートの間でもビーガン食が増えてきたりと様々なところで需要の高まりを感じていました。
どうせやるなら渾身の美味いビーガンラーメンを作りたい。うちは塩ラーメン専門店なので、難易度が最も高いとされる塩ラーメンで究極の一杯を作りたいと思い、研究を重ねてきました。
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- Q塩ラーメンの研究課程で、何が課題でしたか?
- ラーメンスープには一口啜って美味しい!と感じるパンチが必要。動物系素材やうま味調味料を使わずに、旨味と厚みのあるスープの実現を目指していました。野菜と昆布だけではどうしても薄いぼんやりした味になってしまう。当然、素材を多用すれば旨味を出すことはできますが、手間とコストがかかってしまうのが悩みのタネの一つでした。
MIRA-Dashi®をご採用頂いた理由
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- QMIRA-Dashi®を検討しようと思ったきっかけを教えて下さい。
- 全日本・食学会のある先生が「大豆で出来た鰹出汁があるの知ってる?」とすごく褒めていたんです。それで不二製油の泉佐野の研究所に訪問し、MIRA-Dashi®を試食しました。研究者の知恵と知識でこんな不思議な物が出来るのか、というのが第一印象です。
特にMIRA-Dashi®C400は製品自体から鰹を感じ、衝撃を受けました。今の当社のメインのコンセプトはビーガン対応及びグルテンフリー。植物素材のMIRA-Dashi®は親和性がありました。これを上手く活用すれば世界に通用するラーメンになるに違いないと思って検討を始めました。
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- Qご採用の決め手は何ですか?
- MIRA-Dashi®C100は大豆の香ばしいスモーキーな香りがします。塩ラーメンの開発経験で培ってきたレモンやねぎ、にんにく、しょうがなどの薬味の応用技術を組み合わせることで、これをビーガンラーメンの特徴にできると思ったんです。
そして鰹出汁のような旨味をもつC400を合わせれば、うま味調味料を使うことなくスープの厚みを出すことができます。私は東京中のビーガンラーメンを食べているので、味に自信はありましたが、今回は何度も試作をして、大阪の多店舗や、食のプロの仲間たち、全日本・食学会の方たちの評価も確認しながら、2年近くの研究を経て完成度を上げ、発売にいたりました。
お客様の反応やご評価
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- Qお客様の反応はいかがですか?
- ビーガンのお客様が増え、そのお連れ様やグループのご来店によって、結果的に売上が1.5倍に増えました。土日は300人以上のお客様に来ていただき行列ができています。10分間で7杯のビーガンラーメンが出たこともあります。高単価商品にも関わらずよく注文されています。
先日は旦那様がベジタリアンで、奥様はノンベジタリアンの欧米人のご夫婦のご来店があり、各々のラーメンを楽しんでいただきました。
ビーガン以外でも特に女性やヘルシー志向の方々に好評です。うちはスープで勝負しているので具はあえて少なめ。皆さん黙々とスープを完飲されています。
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- Qオペレーションの面はいかがですか?
- MIRA-Dashi®は「スープ」にも「かえし」にも両方使えて、さらに温と冷共用でOKなのが便利です。油分や塩分が一緒でも安定して使えますし、動物性よりも人手もかからず廃棄コストも削減できます。
今後の展開
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- Q今後の展望をお聞かせください。
- 今回の商品開発を生かして卸しにも力を入れていきたいと思います。皆さんが扱い易い加工品に仕上げて、ラーメンのかえしだけでなく、サイドメニューや様々な業態のメニューに使っていただきたいです。
海外も、うちはパリとバレンシアに店舗がありますが、現地での反応を見ていて、これはヨーロッパ中に展開していけると思っています。
アジアもコーシャ・ハラルの対応をして、「ビーガンの考え方っていいよね」と皆さんに覆ってもらえるよう普及できたらいいなと思っています。